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テクノロジーとクラフツマンシップの融合

「Michel BRAS」は、最先端のテクノロジーと、熟練した技術者の手作業が、 最善のバランスで組み合わされることで、作り上げられます。

"包丁の原形"から"包丁"へと変身させる、研削の技術

厚さが均一の刃体は、この「スキ研削」によって、背の部分から刃先にかけて、断面が三角形になるように成形され、"包丁"としての存在感を持つようになります。刃体は、高速で回転する円筒状の砥石で研削されて、次に刃体を滑らかにする「グレージング」が丁寧に行われます。こうして、厚みのある背の部分から薄い刃先までが、美しくなめらかに整えられていきます。

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刃体を支える、「口金」の溶接と研磨

「口金」は、刃体とハンドルをしっかりとつなぎ合わせる、包丁の"要"となる部分です。刃体との溶接が終わると、不要な部分が切り削られた上で、研磨がほどこされます。10種類の刃体やハンドルの特性に合わせて、「口金」の角度や形状も、それぞれに異なるかたちに仕上げられます。

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気品あふれる刃体の質感を生み出す、「ショットブラスト」

「Michel BRAS」の刃体の神秘的ともいえるマットな質感は、この「ショットブラスト」と呼ばれる手法で作り出しています。細かなガラスビーズを非常に高い圧力で刃体に吹きつけるもので、その仕上がりは、刃体を持つ技術者の手の的確な動きにかかっています。

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手作業による組み立て

刃体とハンドル、ハンドルと尻金などの組み立ては、ひとつひとつ手作業によって行われます。特に、栗型をしているハンドルと尻金の組み立ては、ほんのわずかなずれも許されません。完全に一致する状態になるまで、何度もマッチングが繰り返されます。

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「Michel BRAS.Laguiole.France」のマーキング

包丁全体のバランスを取る「尻金」には、ミシェル・ブラスのライヨル人としての誇りが記されます。文字部分が抜かれたステンシルを栗型に沿って丁寧に貼りつけ、そこに電流を流すことで尻金表面がエッチングされ、マーキングがなされます。

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刃体に命を吹き込む、「刃付け」

それぞれの用途に合わせた理想的な切れ味を実現するのが、最終的な仕上げの段階で行われる「刃付け」です。砥石を回転させて、水をかけながら手作業で刃先を研磨する「湿式刃付け」のあと、リング状にセットされた牛革の断面で研磨する「革砥仕上げ」を重ねることで、より繊細で鋭い刃先が出来上がります。どちらも、熟練した技術者が、刃先の状態を細かくチェックしながら、完璧に仕上げていきます。

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μm単位で行う、徹底した品質管理

あらゆるプロセスにおいて厳しい品質管理がなされていますが、「革砥仕上げ」の後に行われるランダムチェックでは、刃物の命である刃先の形状や角度、厚みなどのデータをコンピュータに取り込みます。そして、μm(1000分の1ミリ)の単位まで、その精度が確認されます。さらに、最後の出荷検査では、すべての検査項目にわたる再度の検査がなされます。

全部で37ものプロセスを経て完成した「Michel BRAS」は、油分などが取り除かれ、ケースにセットされます。油分を取り除く際には、有機溶剤などを使用せず、アルカリイオン水に浸しています。

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